町野公彦のマーケティング・ブリコラージュ

次の時代に手渡したいビジネス名言

アナログでしかできないこと。

その靴屋は、銀座にあっては特別高級店というわけでなく、むしろ周囲の店舗からみれば、コストパフォーマンスに優れた店である。 くわえて、この店の販売員の方々からは、いつもプロ意識を感じる。 売り込みは一切せず、納得したら買ってくださいというスタ…

Q+A=I

そして「イノベーションを起こすための鍵は『答え』ではなく『クエッション=質問/疑問/問い』の方にある」と断言する。 「Q思考」 ウォーレン・バーガー 経済が右肩上がりで、誰もがやることがあらかじめ分かっている時代ならば、「答え」がもっとも重要…

失われた多様性を求めて

「僕にはわからないのは、企業というものは、営利を目的とするのか、公益面に奉仕するだけのものなのか、その辺のケジメが全然ついていないということである。 本当は儲けたいというか、自己保身から一歩も出ていないのに、表だけは無理にとりつくろう。 ど…

ヒューマン・インサイトから考える

「インサイトは、こころのなかに存在する何かなので、情緒的ベネフィットと同じような領域にあります。 しかし、情緒的ベネフィットが機能的ベネフィットを土台にしているのに対して、インサイトはかならずしもそうではありません。 先述のイケアの「罪悪感…

「そのために」大切なこと。

夢とは響きのいい言葉です。 ただ、夢が何かを生み出してくれるかというと、微妙です。 あるスポーツ選手は「夢ではなく目標が大事」だと言いました。 正しいと思いますが、わたし自身、若いころ、夢なんかありませんでした。 何とかして食っていこう、とに…

「夏炉冬扇」という考え方。

「マーちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかな?」 「バカ野郎! まだ始まっちゃいねーよ!」 「キッズリターン」 北野武 数年前、社内の150人ぐらいの人たちの前で、自社のマーケティンメソッドの説明会を行ったことがあった。 その冒頭で、こう言ったことを…

同質集団への帰属意識と、異質な人たちへの理解の間に。

訪れる人の側に立って想像力を巡らせること、 それに「伝統」を資源として「再発見」することである。 二つとも、わたしたちは苦手だ。 異質な人々への理解より同質の集団への帰属意識が優先されてきたからであり、また自らの伝統を外から眺める視点を持てな…

ささやかな協力のために考えたこと。

スティーブとはとてもいい友達でしたが、ひとつ不満があります。 アップルは想像力に富んだ優れた製品をだしているにもかかわらず、それらを自分の秘密にしてツールとして売っているだけで、科学やテクノロジーに対して何の貢献もしていない。 マイクロソフ…

ゼロからはじまる大切な2つのこと。

私たちの仕事は、問題を見つけるところから始まる。 データに答えを求めるのではなく、問題設定にデータを使うと語る。 「アドタイ 2016.02.08 掲載~ ゼロtoワンのクリエイティブ レイ・イナモト氏新会社方針」 宣伝会議の「アドタイ」の記事を読んでいて、…

危機を乗り越える、クリエイティブな課題解決力。

助ける方法を検討するのではない。どうしたら助かるかを実行することである。 映画「アポロ13」 最新作「オデッセイ」や過去作品ではあるが「アポロ13」等、宇宙での予期せぬ事故に遭遇し、どうやったら地球に帰還できるかという課題を抱えたクルーたち…

終わりなき旅。

人は何度でも立ち上がる。 立ち上がっては倒れ、立ち上がっては倒れ、その足元はおぼつかないかもしれない。 けれども、立ち上がったことは、一生忘れることのない、かけがえのない記憶となる。 マハトマ・ガンジー サイクロン掃除機で知られるジェームズ・…

物語をつくる、自分の部屋をつくること。

小説を書くということは、つまり物語を作るということであると考えています。 物語を作るというのは、自分の部屋を作ることに似ています。 部屋をこしらえて、そこに人を呼び、座り心地のいい椅子に座らせ、おいしい飲み物を出し、その場所を相手にすっかり…

取り入れられる物語を。

Eコマースでは消費者が選べないほどの店、商品があふれています。 多くの商品は、どこでも売っている潤沢品です。すると在庫の数とか、すぐ届けられるとか、安さでしか差別化できません。 その商品が「あなたにとって価値がありますよ」とアピールする力が必…

埋め込まれた言葉。

会社に行かない日は、いつもジーンズを穿いている。 最近はストレッチジーンズなるものがあり、綿にポリウレタンを混ぜることで、生地の伸縮性を出しているのだが、こうした生地は着用頻度が多くなると、生地が伸びきってしまい、収拾がつかなくなる。 そん…

賢者の贈り物。

「現代の賢者たちに言おう。贈りものをする人々の中で、この二人こそ「賢い人々」であったのだと。 贈りものを与え、贈りものを受けとる人々のなかで、彼ら二人のごとき者こそが「最も賢き人々」であるのだと」。 (O・ヘンリー 「賢者の贈り物」) クリスマス…

そして、私たちはマーケティングに帰る。

「しかし、まえがきで、デジタルマーケティングとは、「マス、リアル、ネットの3領域を全てデジタルで統合し、ユーザー導線を効果的につくっていくこと」と述べた。」 (「リアル行動ターゲティング」 横山隆治) 「数億円の予算配分をマス広告を中心に数ヶ…

全ては、「良い問いの立て方」から。

「動物は水を好むか?」と「猫は水を好むか?」という2つの問いに対して、間違いかどうかを早く検証できる問いはどちらでしょうか? 「リーン顧客開発 ~「売れないリスク」を極小化する技術」 シンディ・アルバレス ある内科医から、健康を考えるうえで食べる…

「強み」が「弱み」になるとき。

すなわち、「当面の事業が成功すればするほど、知の探索をおこたりがちになり、結果として中長期的なイノベーションが停滞する」というリスクが企業組織には本質的に内在しているのです。 これが、「コンピテンシー・トラップ」と呼ばれる命題です。 (「世…

原動力は、あくなき飢餓感。

「総じて組織は、彼らのサービスに何かうまくいかない点があれば、そのことを認識はしますが、問題を明確にせず、そんなものだと受け流す傾向があります。 そのような問題に着目し、確実に対応していくことは、サービスデザイナーの役割のひとつです。」 (…

仕事に心を込めよう。

共感こそイノベーションの原動力である。 (「DIAMONDハーバードビジネスレビュー/HBRブログ」 ゲイリー・ハメル) 患者満足度において、下位グループに属していた、ある医療機関がアメリカのミシガン州にあったという。 この医療機関のCEOは、どうすれば患…

私論(試論)。

「君がやるべきことは、古い大地から新しい大地に飛び移ることだけ なのだ。」 (「村上春樹 雑文集」 村上春樹) あくまで私論(試論)として、企業と顧客をめぐるマーケティング環境の時代変遷を便宜的に3つの時代に分けてみた。 かなり乱暴な区分である…

物欲なき世界で。

「物欲は減り、モノは個人ではなく、皆でもつものに。 そしてモノの所有よりも行動やサービス、知識がより重視される時代が訪れようとしている。」 (「物欲なき世界」 菅付雅信) かつて、僕は、広告会社の先輩たちから「物欲の拡大再生産」をミッションと…

「真の商品」

「我々が顧客の仕事を得るとき、買って頂くのは、実は、企画や提案などの「商品」ではない。 買って頂くのは、我々自身の「人間」である。 そして、もし我々が、そのことを理解するならば、自然に、一つの問いが、心に浮かぶ。我々は、その「真の商品」であ…

強力な「なぜ」を持ち続けること

「あなたのお祖母さんがステーキを焼く前にいつも肉を半分に切る習慣を持っていたとします。 彼女から料理を教わったあなたは、同じことをするようになります。 しかし、肉を半分に切る理由は何でしょうか? 実はあなたのお祖母さんが持っていたオーブンレン…

終わりではなく、はじまりとして。

広告代理店の未来は「広告」が消えて「代理店」だけが残るかもしれない、と言っていた方がいました。 今まで培われた何かは生きていくけど、広告というアウトプットにはならないかもしれないと。 出版もファッションも同じです。本質的に自分たちが何の価値…

創業時にもっていたものを。

「創業者が会社を立ち上げた時のことを想像してみましょう。 創業者は自らの製品やサービスを心から愛し、これを日々より良いものに高め、競争相手を打ち負かし、顧客に選ばれることだけを考えていたでしょう。」 「企業価値4倍のマネジメント ~結果にこだ…

目的の力。

大昔の石切工の話というものがある。 3人の石切工がいて、そこに旅人がやってきて、「あなたは何のために石を切っているのですか」と尋ねた。 1人の石切工は、お金をもらうためだと答え、2人目は腕の立つ職人になりたいからだと答えた。 これに対して、3…

忘れられた矜持。

ただパンになにかをはさめばいいというものではありません。 「サンドウィッチは誠意のかたまりである」こう言ってはばからない。 だからこそ、銀座でおいしいサンドウィッチに出合えるのはちゃんと理由がある。 「きちんともてなしたい」その一線を意地で崩…

自己決定感。

「人事を尽くして天命を待つ」私はこれを、人事を尽くさんとするはこれ天の命なり、と勝手に読み替えています。 つまり、自分は絶対に今、これをやるのだと心に決めて思いたったなら、それは天から下った命なのだと考える。 (「無力 MURIKI」 五木寛之) ス…

語る前に、聞け。

「会社というものは「顧客に奉仕すること」以外の目的を持っては いけない。」 (「大前語録」 大前研一) 広告会社や調査会社であれば、クライアントやその先の生活者も含めて、顧客と考えることができる。 病院であれば、患者やその家族が顧客である。 に…