町野公彦のマーケティング・ブリコラージュ

次の時代に手渡したいビジネス名言

ゼロからはじまる大切な2つのこと。

私たちの仕事は、問題を見つけるところから始まる。

データに答えを求めるのではなく、問題設定にデータを使うと語る。

「アドタイ 2016.02.08 掲載~ ゼロtoワンのクリエイティブ レイ・イナモト氏新会社方針」

 

 

宣伝会議の「アドタイ」の記事を読んでいて、今の(マーケティング)ビジネスには、「2つのZERO TO ONE」が必要なのではないか、という想いに至った。

 

それは、

①「課題設定のZERO TO ONE」と、

②「課題解決のためのZERO TO ONE」

である。

 

具体的に言えば、一口に、問題定義や課題設定と口にはするものの、これほど奥が深い業務プロセスはない。

多くの医療事例と同様に、本当に正しい治療ができるのは、正しい診察(正しい課題設定)があったからこそである。

下痢を伴うウィルス性胃腸炎の患者に、単純に下痢止めを投与すれば、ウィルスが体内にとどまってしまう。この場合のとるべきアプローチは、菌を体外に出すことである。

 

 

もうひとつのZERO TO ONEは、ソリューションのZERO TO ONEである。

例えば、広告を考えた場合、以前ならば、あらかじめTV、新聞、雑誌等といった広告枠が決まっていることが大半で(クライアントが指定することが多かった)、この枠の中にいかに効果的なクリエイティブを作るかということに注力していた。

 

しかしながら、現在は、そうした「前提や与件」すらなく、むしろそれらの前提自体を疑ってかかることが良しとされることも少なくない。

 

ゼロからはじまるクリエイティブこそが重要である。

 

クライアントから課題を与えられ、かつ、ある程度解決方法も与件として呈示されるということはますます少なくなっていくだろう。

 

現代の良い仕事は、課題とソリューションもゼロから考えるのだ。

 

メディアや広告ビジネスの前提となっているのは、広告枠を売り、その枠に収まるアイデアを作るということだ。

数十秒のCM枠や白いページ、広告看板に当てはまるモノを作るのがクリエイティビティだと唱えられてきた。「これまでの広告やマーケティングは、メディアの枠から始まっていた。つまり出発点が1だった」

「もちろん1から始めることが間違っているわけではない。ただ、これからの本当のクリエイティビティはゼロから始まる必要があると思う。いずれにしても、クリエイティブであることが、生き残る術だ。クリエイティビティこそが、最後まで人間が人工知能に優る点だと思う」

「アドタイ 2016.02.08 掲載~ ゼロtoワンのクリエイティブ レイ・イナモト氏新会社方針」

 

 

 本日も読んでいただき、ありがとうございます。

OBSCURA  Mexicoを飲みながら。