町野公彦のマーケティング・ブリコラージュ

次の時代に手渡したいビジネス名言

「夏炉冬扇」という考え方。

「マーちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかな?」

「バカ野郎!  まだ始まっちゃいねーよ!」                  

                    「キッズリターン」 北野武

 

 

数年前、社内の150人ぐらいの人たちの前で、自社のマーケティンメソッドの説明会を行ったことがあった。

その冒頭で、こう言ったことを今も覚えている。

 

「ここに半分の量の水が入ったコップがあります。これを<半分しか入っていない>と捉えるか、<半分も入っている>とみるかは大きなポイントです。

同じものを見ても、見方次第で、その結論は大きく異なります。」

 

 

禅の言葉で、「本来空寂(ほんらいくうじゃく)」というものがある。

人間は一人で生まれてくる孤独な存在である。

しかし、孤独だからこそ、自らの考えが深まり、他者に対して優しくなれると説く。

 

また、「夏炉冬扇(かろとうせん)」は、夏のいろりと、冬のうちわは、今は不要だとしてもきっと必ず役に立つときが来る、そのときを忍耐をもって待つことが大切である

とする。

 

これらの言葉には、もともとはネガティブなもの(「孤独」や「その季節には使えないもの」)を、ポジティブに転換する、共通の構造をもつ。

 

 

ビジネス事例にも、ネガティブをポジティブに見事に転換したものがある。

1968年、3M社は、強い接着剤の開発を行っていたが、「よくつくけれども、簡単にはがれてしまう」失敗作を作ってしまった。

 

しかし、これを失敗作とは捉えず、「何かに使えるに違いない」と考え、用途開発を行った。

 

ポストイット」である。

 

 

 

 今日も読んでいただき、ありがとうございます。

 

OBSCURAのNicaraguaを飲みながら。