町野公彦のマーケティング・ブリコラージュ

次の時代に手渡したいビジネス名言

物語をつくる、自分の部屋をつくること。

小説を書くということは、つまり物語を作るということであると考えています。

物語を作るというのは、自分の部屋を作ることに似ています。

部屋をこしらえて、そこに人を呼び、座り心地のいい椅子に座らせ、おいしい飲み物を出し、その場所を相手にすっかり気に入らせてしまう。

 

そこがまるで自分だけのために用意された場所であるように、相手に感じさせてしまう。それが優れた正しい物語のあり方だと考えます。

 

たとえ、それがものすごく立派で豪華な部屋であっても相手が落ち着いて馴染んでくれなければ、それは正しい部屋=物語とは言えないでしょう。

 

というと、まるでこちらが一方的にサービスをしているみたいに聞こえるかもしれないけれど、必ずしもそういうわけではありません。

相手がその部屋に入り、それを自然に受け入れてくれることで、僕自身も救われることになります。

相手の居心地の良さを、自分自身のものとして感じることができます。

なぜなら僕とその相手とは、部屋という媒介を通して、何かを共有することができたからです。

 

共有するということは、つまりものごとを分かち合うということです。

力を互いに与え合うことです。

それが僕にとっての物語の意味であり、小説を書くことの意味です。

「遠くまで旅する部屋・村上春樹雑文集」 村上春樹

 

 

上記の引用は、あくまで小説を書くことの意味について言及しているものの、

ここでの物語を「マーケティング」や「コンテンツマーケティング」という言葉に置き換えてみると、見事にマーケティングの本質を言い当てている。

 

例えば、こんな風に。

 

マーケティングというのは、自分の部屋を作ることに似ている。。

部屋をこしらえて、そこに人を呼び、座り心地のいい椅子に座らせ、おいしい飲み物を出し、自社の商品やサービスを顧客にすっかり気に入らせてしまう。

 

そこがまるでその顧客だけのために用意された場所であるかのように、相手に感じさせる。それが優れた正しいマーケティングのあり方だ。

 

たとえ、それがものすごく立派で豪華な部屋であっても相手が落ち着いて馴染んでくれなければ、それは正しいマーケティングとは言えない。

 

というと、まるでこちらが一方的にサービスをしているみたいに聞こえるかもしれないけれど、必ずしもそういうわけではない。

顧客がその部屋に入り、それを自然に受け入れてくれることで、送り手自身(企業)も救われることになる。

顧客の居心地の良さを、自分自身のものとして感じることができる。

なぜなら送り手(その企業)と、その相手とは、商品やサービスを媒介に、何かを共有することができたから。

 

共有するということは、つまりものごとを分かち合うということ。

企業と顧客とが、力を互いに与え合うことだ。

それがマーケティングの意味であり、本質である。

 

今日も読んでいただきありがとうございます。

 

SWITH COFFEE TOKYO   SIDAMO ETHOPIA  WASHEDを飲みながら。