終わりなき旅。
人は何度でも立ち上がる。
立ち上がっては倒れ、立ち上がっては倒れ、その足元はおぼつかないかもしれない。
けれども、立ち上がったことは、一生忘れることのない、かけがえのない記憶となる。
サイクロン掃除機で知られるジェームズ・ダイソンは、5,000台以上の試作機をつくっては、失敗を繰り返していたという。
ただし、彼は「失敗というものは、今後解消されるべき問題にすぎない」と言ったといわれる。
良い商品を生み出す会社の経営者やデザイナー、あるいは、80才をこえてもいまだに優れた作品を撮り続ける映画監督、常にボイストレーニングを怠らない歌手・・・・等、
リスペクトできうる人々は、自分自身の仕事に終わりを想定しない。
常に改善を繰り返し、より良いものを生み出そうとしているのだ。
僕の小説が語ろうとしていることは、ある程度簡単に要約できると思います。それは、「あらゆる人間はこの生涯において何かひとつ、大事なものを探し求めているが、それを見つけることのできる人は多くない。そしてもし運良くそれが見つかったとしても、実際に見つけられたものは多くの場合、致命的に損なわれてしまっている。にもかかわらず、我々はそれを探し求め続けなければならない。そうしなければ、生きている意味そのものがなくなってしまうから」ということです。