町野公彦のマーケティング・ブリコラージュ

次の時代に手渡したいビジネス名言

信じて頼ることができるかが、「信頼」。

「我々は多くのお金やモノを蓄えて自身を守るようにと教えられてきた。

しかし究極的には我々を守ってくれるのは人との関係性だ。」

(「未来が見えなくなったとき、僕たちは何を語ればいいのだろう ~ 震災後日本の「コミュニティ再生」への挑戦 ボブ・スティルガーより引用)

 

ビジネスをして生きていくためには、「信頼」ほど重要な概念はない。

信頼がなければ、人からなかなか声がかからないし、逆に信頼がある人は、おもしろいように仕事の依頼が自然と集まってくる。

 

ある既婚男性会社員から聞いた実際にあった話。

ある男性会社員は、会社の団体割引もあり、大手生命保険会社の生命保険に加入していた。その大手生保では、年1回勤務先に保険外交員の女性が男性会社員の会社を訪問し、契約内容の確認をすることが通例となっている。

(確認の最後には、別の提案がたいてい用意されている。)

今年も、その生保の営業の女性は、男性会社員の会社を訪ね、契約内容を読み上げ、確認を行った。

確認が終わったとき、その営業の女性は、「私も営業として、今日は奥様の生命保険の設計書を作ってきました」と言い、設計書を拡げて、その男性会社員の妻を想定した保険プランの話を一方的にはじめた。

(男性会社員の保険証書から妻の年齢は特定できるので、保険プラン自体は本人を知らずとも作成できるのだ。)

 

しかしながら、その男性会社員の妻は、1年以上前から大病を患い、そもそも保険など入れるわけがないのだ。

この男性に子供はいなかったが、もし仮に子供がいて、その子供が数週間前に亡くなっていたら、そして子供向けのプランを提案されたとしたら・・・・と考えると恐ろしいものがある。

 

顧客中心主義を掲げる生命保険会社。

ほんの数分の出来事が、信頼感というもののかけらも失くしてしまう。

信頼とは、信じて頼ること。

信頼を維持し続けるためには、いい仕事をするしかないし、他者では簡単に代替できない何かを持ち続けるしなない。

 

「信頼はコピーできない。買うこともできない。信頼は時間をかけて獲得するものである。」

(「ケヴィン・ケリー著作選集1」 ケヴィン・ケリーより引用)

 

GLITCH COFFEE & ROASTERSのYIRGACHEFFEのコーヒーを飲みながら。

読んでいただきありがとうございます。