エレベーターという名のリトマス試験紙。
インテリアデザイナーを雇ってオフィスを飾ったり、人事コンサルタントを雇って社内ポリシーを作り直したり、ブランディング専門家を雇って会社のキャッチフレーズを作っても、意義のあることなんて何も達成できない。
「企業文化」は企業そのものから離れては存在しない。
企業にとって文化とは持つものではない。
企業そのものが文化だ。
(「ZERO to ONE」 ピーター・ティール)
企業のエレベーター空間は、2つの意味で「リトマス試験紙」である。
ひとつめの意味は、よく言われるように、エレベータープレゼンテーションと呼ばれるものだ。
たまたま会社のエレベーターで、自分の会社の役員と乗り合わせた時、その役員がエレベーターを降りるまでのほんの数十秒の間で、自分のビジネスプランを簡潔にプレゼンできなければならないというものである。
ふたつめの意味は、エレベーターの中は、その会社の企業風土を写す鏡であるという意味だ。
ある会社で実際にあったことなのだが、ある企業が入居しているオフィスビルのエレベーターで1階まで降りるために、途中階から乗ろうとしたところ、既にひとりの男性が乗っていた。
僕が乗ろうとする直前から、その男性は「閉ボタン」を押し続け、軽く舌打ちした。(早く下に降りたかったのだろう。)
たまたま特異なケースかと思っていたものの、この会社ではその後も同じような目にあったし、同様の体験をした別の人もいる。
エレベーターは、いつ、どんな人が乗っているのか分らないし、常にその企業が、どう見られているかの「コンタクトポイント」であり、「真実の瞬間」である。
「スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)」500社の平均寿命はかつて50年以上だったが、徐々に縮み、今では25年以下になっている。
将来的には、これから四半世紀の間に主要企業として生き残るのは、今日の主要企業のうち三分の一にすぎないだろう。」
(「グレートカンパニー 優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件」
リッチ・カールガード)
OMOTESANDO KOFFEEのブレンドコーヒーを飲みながら。
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