「状況」に語りかける。
「誰がいつ読んでも面白い小説など存在しない。
小説に普遍的な面白さなどない。
誰かが、ある時に、ある状況のなかで読んで、その作品は面白い。
そうした出会いのなかにしか読書の悦びはありえない。」
(日本経済新聞2015年7月26日「半歩遅れの読書術」)
現代の生活者は、何かをしたいと思った時、スマートフォンを取り出してすぐにでも検索行動を起こせるようになった。
このちょっとした変化は、購買行動のプロセス自体に非常に大きな変化をもたらした。
好むと好まざるとにかかわらず、「トラディショナルな広告教育」を受けた者にとって、この事実は事実として受け止めなければならない。
以前、広告は3回の頻度がいいとか、5回の頻度が必要などと言われてきた。
しかし、例えば、まだ幼い子供に清潔な手で食事をしてもらいたいと思った親は、「1日に3回手を洗いなさい」と言うよりも、「食事の前だから、今、洗いなさい」と言った方がより効果的であろう。
問題は何回かではなく、その瞬間瞬間のニーズに応じて、状況に語りかけられるかにある。
例えば、アマゾンのレコメンデーションにお天気情報が加わるとどんなセールス文句が考えられるか。
今日は暑かったですね。涼やかな気持ちになるのは、DVD「ドキュメント知床半島の自然」はどうですか?
このドキュメントを5分みると、3度体感温度が下がります。今回は特別50%OFFです。
(「群像の時代 動きはじめたメディアコンテンツ」 志村一隆)
The Cream of the Crop CoffeeのYirgacheffeを飲みながら。
読んでいただきありがとうございます。