町野公彦のマーケティング・ブリコラージュ

次の時代に手渡したいビジネス名言

「私が想うこと」と「あなたが想うこと」の非対称性。

「自分が見たもの、感じたものだけが真実だったと考えれば、

それですむ。」

(「モンローが死んだ日」 小池真理子 より引用)

 

親子や恋人同士・・・・・等、様々な人間関係において、「私はこんなに我が子に愛情をもって接しているのに、うちの子供は分かってくれない」、

「彼に注ぐ私の愛情が100だとしたら、彼の愛情はその半分もない」・・・・こうした話は様々な状況で頻出する。(自分の真実が全てと考える。)

 

さらに、仕事上のパーティ会場では、「◯◯さん、昨年ご挨拶だけさせていただいた△△です。ご無沙汰しております」と話しかける人に対して、どこで会ったかすら記憶の片隅にもなく困惑したビジネスマンを見かけることがある。

 

非常に切ないが、こうした事例は、「人間の気持ちや記憶の非対称性」が確実に存在することを証明している。

 

つまり、私はこれだけ愛情をもっているのだから、あなたも同じだけの愛情をもっているはずだ(もっているべきだ)、という前提に人は立ってしまう。

あるいは、私はあなたの名前や会社のことを知っているのだから、当然、あなたも私の名前や会社を覚えているはずである、と考える。

 

とくに、ビジネスの現場では、うちの商品はそこそこ宣伝にお金をかけているから、誰もが我が社の広告を見ているはずだし、ブランド名も知っているはずであるという思い込みが強化される構造をもつ。

 

しかし、「私が想うこと」と、「あなたが想うこと」の間には、確実に乖離が存在するのだ。

 

この乖離の現実を受け入れた上で、少しでもそのギャップを埋める方法を考えなければならない。

そのためには、相手側の「満たされない気持ちを察すること」がますます重要になっている。

ある人はそれをインサイトと呼ぶ。

 

「幸福とは満たされた人のことではない。
願い事をたくさんもっている

状態のことである。」

(「希望の仕事術」 橘川幸夫より引用)

 

COFFEE VALLEYのValley Blandを飲みながら。

読んでいただきありがとうございます。