町野公彦のマーケティング・ブリコラージュ

次の時代に手渡したいビジネス名言

時には偶然性に身をゆだねてみる。

「つまりは、人生の充実のためには、強い絆と弱い絆の双方が必要なのです。」

(「弱いつながりー検索ワードを探す旅」 東浩紀より引用)

 

アメリカの社会学者であるマーク・グラヴェターが1970年代に提唱した、「弱い絆」という考え方がある。この社会学者は、男性ホワイトカラーの転職に関する調査を行った。

そこで明らかになったのは、多くの人がつながりで転職していること、かつ、転職後に高い満足感をもっていたのは、職場の上司や親戚といった身近な人間からの紹介ではなく、むしろ、パーティで知り合いになったような人からの紹介で転職した場合だった。

つまり、強い絆をもった深い知り合いではなく、「弱い絆」=浅い知り合いの方が転職にプラスだというのである。

 

はじめてこの話を聞いた時は、「本当?」と思うかもしれないが、よくよく考えてみると、転職したいその人をよく知らないからこそ、未知の転職先=新しい可能性を指し示してくれる可能性がある。

 

よく本屋に行く僕にむかって、「ネット書店で買えばいいじゃないですか」と言う知人がいる。ネット書店は、ネット書店なりに、在庫があったり、レコメンデーション機能が充実しているといった良いところもある。

しかし、レコメンデーションだけに依存し選択し続けるだけでよいのだろうか。

時には偶然性に身をゆだね、リアルな本屋で予期せぬ本を手にする、そんな選択があってもいい。

 

予期せぬものにこそ、大きな可能性が眠っている。

 

COFFEE VALLEYのEl Salvadorを飲みながら。

読んでいただきありがとうございます。