町野公彦のマーケティング・ブリコラージュ

次の時代に手渡したいビジネス名言

「先義後利」。

「企業は利益なくして生き延びることはできません。そのため、会社としても「売り上げが欲しい」、「利益を出したい」という気持ちは強いものがあります。そうだとしても、「そもそも何のためにこの事業を始めたのか」という「利の先に立つ義」が忘れられてはなりません。」

(「寄り添う力」石井淳蔵

 

「先義後利」と言われるこうした考え方は、事業には常に利益の前に社会に向けた貢献が必要であるという基本姿勢が根底にある。

 

ここ数年、テクノロジーのおかげであらゆるものが定量化できるようになったことが影響してか、ビジネスの現場で多くの人が「KPI」や「KGI」あるいは「コンバージョン率〇%」・・・・・という言葉を普段から使用するようになってきている。

 

これ自体は否定することではなく、定量化することで他社の数値と比較したり、自社内の過去のデータと時系列で比較することで、何がどうなっているのかを把握するのに非常に役立つ。

しかしながら、それらのキーワードや数字だけが一人歩きすることは、極めて危険なことであると考えている。

というのも、ビジネスにとっては、〇〇円、〇〇%といった定量的な「目標」だけでなく、定性的な「目的」こそが必要だからだ。そもそも企業も人も、他者に生かされているという視点に立ち、「我々は何のために存在し、これを行っているのか」という

目的を中心に考えること、これこそが何よりも優先されるべきことである。

勿論、目的 だけでは生きていくことはできないが、ビジネスは人間がやるものだから、目標だけあっても、やりがいや楽しさがなければ、モチベーションが向上するはずもない。

 

「「どうしたらもっとよいサービスを提供できるか」といっていた企業が「どうしたら最も儲かる業務契約を取ってこれるか」と言い始めたり、「どうしたら人の命を救う薬を開発できるか」と言っていた企業が「どうしたら巨額の利益を出せる薬品を開発できるか」などと言い始めたりしたら、企業が衰退に向かっている警告のサインだ。

お金は成功の指標のひとつにすぎないと私は考えている。お金は手段にしてもよいが、目的にしてはならない。お金が目的になってしまうと、価値を付加することがおろそかになり、やがて会社が滅びることになりかねない。」

(「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です」 カレン・フェラン から引用)

 

「シェフが自分で料理して経営するレストランは、常連客さえつかめれば、右肩上がりで成長しなくても潰れることはない。

厨房に立つこともなく、売上の数字だけを追いかけている経営者のいるレストランは、いくら店舗数を増やしても、永遠には続かない。

だいいち、そんな仕事をしても、「おいしい料理を提供する」という本来の仕事の楽しさは味わえない。」

(「希望の仕事術」 橘川幸夫より引用)

 

COFFEE VALLEYのpanamaを深夜に飲みながら。

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